auが「アップグレードプログラムEX」などの新規受付を9月30日で終了 市場環境の変化を受けて
au(KDDIと沖縄セルラー電話)の機種変更サポートプログラムが、9月30日をもって新規申し込みの受け付けを終了する。電気通信事業法の改正とそれに伴う総務省令の改正や楽天モバイルの新規参入など、事業環境の変化を受けた判断だ。
KDDIと沖縄セルラー電話は、9月30日をもって「アップグレードプログラムEX」を始めとする各種アップグレードプログラムの新規加入の受け付けを終了する。同日までに加入した分については、同日以降もプログラムを継続し、特典を利用することもできる。
受け付けを終了するプログラム
9月30日をもって新規加入の受け付けを終了するプログラムは以下の通り(月額料金は非課税)。
- アップグレードプログラム(月額300円)
- アップグレードプログラムEX(月額390円)
- アップグレードプログラムEX(a)(月額390円)
- アップグレードプログラム(a)(無料)
- アップグレードプログラム(ジュニア)(無料)
- アップグレードプログラム(タブレット)(月額480円)
終了理由は「法令改正」と「新規参入」
これらのプログラムは、端末購入時のみ加入でき、一定期間利用後に端末の下取りを条件に分割払い(割賦)の残債の支払いを免除するというもの。手元に旧端末は残らないが、機種変更をしやすくする仕組みの1つとして提供されてきた。
新規受け付け終了について、KDDI広報部は「今後予定されている法令改正や新規事業者の参入など、市場環境の変化を受けた措置」と説明している。
「法令改正」は、5月17日に公布された改正電気通信事業法と、同法に基づいて改定される予定の総務省令や各種ガイドラインのことを指す。今回新規受け付けを終了するプログラム群は、その性質上端末の分割払いでの購入が必須となっており、プログラムの適用に「機種変更」を条件としていることから、アップグレードプログラムEXにおいて48回の分割払いを条件としていることと合わせて契約者に対する期間拘束効果が強すぎると指摘されていた。
「新規事業者の参入」は、10月に予定されている楽天モバイルのMNO(自ら通信設備を持つ事業者)参入を指す。記事執筆時現在、MNOとしての楽天モバイルは料金プランを発表していないが、MVNOとしての料金プランと同等の比較的低廉なものを訴求すると見られている。
これらの事情を踏まえ、KDDIは「今年度(2019年度)上期で新規受け付けを終了する」(KDDI広報部)判断に至った。機種変更を促すための代替措置については、「市場動向を見極めつつ、検討を進めている」(同)。
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